コレクション: 南 桂子 / Keiko Minami
1911年-2004年
富山県生まれ。
高等女学校在学中から絵画制作に興味を抱き、詩を試みたり、壺井栄に師事して童話を学ぶなど、多岐にわたる創作活動に取り組みました。しかし、浜口陽三との出会いがきっかけで、銅版画の世界に魅了されることとなりました。
約40年にわたり、南桂子の作品のモチーフはほぼ一貫しており、鳥、少女、孤立した一本の木などがその中心です。
一人で立ち上がる姿や静かに立ち止まる姿、透明感に満ちた世界が描かれています。その絵の中には、孤独とそれを克服した幸福が穏やかに調和しているかのような雰囲気が漂っています。
銅版画特有の肌合いは、この静かで繊細な世界を表現するのにぴったりです。優しさや寂しさ、憧れ、そして希望などが、淡い色彩として輝く光の粒子のように、作品にちりばめられています。